― 痛みやしびれが続く背景を整理する ―
脳卒中のあと、
麻痺が落ち着いてきたにもかかわらず、
- 強い痛みが続く
- 焼けるような感覚が消えない
- 触れただけで強く痛む
- 説明しづらいしびれが出る
といった症状に悩まされることがあります。
その代表的なものが 視床痛 です。
視床は、体からの感覚情報を脳へ中継し、
「どの程度の刺激として感じるか」を調整する重要な部位です。
脳卒中によってこの働きが乱れると、
本来の刺激以上に強い痛みや違和感として感じてしまうことがあります。
よくみられる症状の特徴
脳卒中後遺症・視床痛では、
次のような症状がみられることがあります。
- 焼けるような、ヒリヒリする痛み
- ピリピリ・ビリビリとした電気が走るような感覚
- 触れると過剰に痛む(アロディニア)
- 温度感覚がうまく分からない
- 痛みと同時に、筋肉のこわばりや痙縮がある
これらは単独で出ることもあれば、
複数が組み合わさって現れることもあります。
また、日によって強さが変わったり、
疲労やストレス、不安が重なると強く感じられることも少なくありません。
なぜ痛みや異常感覚が長く続くのか
脳卒中後の痛みや異常感覚が長く続く背景には、
いくつかの要因が重なっていると考えられています。
● 脳の損傷そのものの影響
視床や感覚に関わる部位が損傷を受けることで、
刺激の受け取り方や調整の仕方が変化してしまいます。
● 神経の部分的な回復の過程で、新しい回路ができてしまう
脳や神経は、損傷を受けたあとも
**「何とか機能を取り戻そう」と再構築(適応)**を行います。
その過程で、
- 本来とは異なる経路で信号が伝わる
- 痛みの信号が強調されやすい回路が固定される
といったことが起こる場合があります。
これは「回復がうまくいっていない」というより、
体が必死に適応しようとした結果として生じることでもあります。
● 神経回路の興奮が続いてしまう
強い刺激や不快な感覚が続くことで、
神経が「危険な状態だ」と学習しすぎてしまい、
過敏な反応が持続することがあります。
このような状態は、
中枢性感作症候群(CSS) という考え方で整理できる場合もあります。
👉
脳卒中後遺症や視床痛は、
「損傷」だけでなく
その後の神経の働き方の変化も含めて考えることが大切です。
治療や向き合い方について
脳卒中後遺症や視床痛に対しては、
- 薬物療法
- リハビリテーション
- 痛みの専門外来
などが行われることが一般的です。
ただし、
- 効果に個人差が大きい
- 痛みが完全に消えないこともある
- 副作用がつらい場合がある
と感じている方も少なくありません。
脳が受けたダメージによって
完全に治るものではないため
病院でも「うまく付き合っていきましょう」
と薬を続けていくことが多いです
そのため、
「完全に痛みを消す」ことだけを目標にするのではなく、
- 神経の過敏さを少しずつ下げる
- 体全体の負担を減らす
- 痛みと付き合える範囲を広げていく
といった視点で向き合うことも大切になります。
当院での考え方とサポート
ペレス・テラキ治療室では、
- 痛みの出ている部位だけを見るのではなく
- 神経の過敏さ
- 筋肉や体の緊張
- 血流や循環
- 自律神経のバランス
- 日常生活での負担
といった 全体のバランス を重視しています。
脳や神経が本来もつ
「安定しようとする力」が働きやすくなるよう、
無理のない形で整えていくことを大切にしています。
👉
「治療ですべて治せる」のではなく、
「一緒に整えていく」 という姿勢です。
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※ 症状の感じ方や組み合わせは人それぞれ異なります。
※ 該当する内容を参考としてご覧ください。
ひとりで抱え込まずに
脳卒中後遺症や視床痛は、
外見で分かりにくい症状が
長期間ずっと続いてしまうため
周囲に理解されにくく、
不安や孤独を感じやすい症状です。
「なぜ続いているのか」
「どう考えればいいのか」
その整理がつくだけでも、
気持ちが少し楽になる方もいます。
ペレス・テラキ治療室では、
お話を丁寧に伺いながら、
今より少しでも楽になる道を一緒に探していきます。
この記事の要点
検査では異常がないと言われたのに、
痛みやしびれ、違和感が続く場合、
体のどこかが壊れているというより、
「神経の感じ方そのもの」が過敏になっていることがあります。
こうした状態を理解する考え方のひとつが、
中枢性感作症候群(CSS)です。
CSSは診断名というより、
慢性痛や原因不明症状に共通してみられる
神経系の反応パターンを説明する概念です。
▶ 中枢性感作症候群(CSS)とは?
原因不明の痛み・しびれ・異常感覚との向き合い方
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