回復とは「元通りに治ること」だけではありません

慢性的な痛みやしびれがあると、

👉 「症状がなくならないと治っていない」

と考えてしまうことがあります。


もちろん症状が軽くなることは大切です。

しかし実際には、

  • 趣味を楽しめるようになる
  • 外出できるようになる
  • 人と会えるようになる
  • 仕事や家事がしやすくなる

このような変化も大切な回復の過程です。


症状があると生活が症状中心になりやすくなります

慢性的な症状では、


朝起きる

症状を確認する

一日中気になる

また確認する

不安になる


という流れになりやすいことがあります。

気づけば、

生活が

👉 症状のことばかり考えている状態

になってしまうことがあります。


症状はあるのに旅行や趣味を楽しめた経験はありませんか?

患者さまのお話を聞いていると、

  • 旅行中は意外と大丈夫だった
  • 趣味に集中していたら忘れていた
  • 孫と遊んでいる時は気にならなかった
  • 友人と話していたら楽だった

ということがあります。


これは、

症状が嘘だったわけではありません。

脳の注意が別の方向へ向いていたためです。


TPN(課題集中ネットワーク) とは?

近年の脳科学では、

👉 TPN(Task Positive Network)

というネットワークが知られています。


日本語では、

👉 課題集中ネットワーク

などと呼ばれます。


TPNが働くのはこんな時です

例えば、

  • 仕事に集中している
  • 本を読んでいる
  • 趣味を楽しんでいる
  • 散歩している
  • 人と会話している
  • 新しいことを学んでいる

そんな時に

TPNが活動しやすいと考えられています。


TPNとDMNはシーソーのような関係です

前の記事で紹介したDMN(デフォルト モード ネットワーク)は、

👉 自分の内側へ注意を向けるモード

でした。


一方TPNは、

👉 外の世界へ注意を向けるモード

と考えるとわかりやすいかもしれません。


DMNばかりが働くと、

症状や不安に意識が向きやすくなります。

一方で、

TPNが働く時間が増えると、

症状以外のことへ意識が向きやすくなります。


ここまでの内容を図にすると次のようなイメージになります。

脳は

「症状ばかりを見る状態」と「外の世界や生活へ意識が向いている状態」

を行き来しています。

慢性的な症状では前者に偏りやすくなりますが、
回復の過程では少しずつ後者の時間が増えていくことがみられます。



TPNの時間が少しずつでも増えていくことは回復過程の一つです

慢性的な痛みやしびれに悩んでいる方は

主治医や周囲の人から

「気にしすぎ」「考えすぎ」「気持ちや心の問題」

というようなことを言われがちです。


しかしここで大切なのは、

👉 症状を無理に忘れようとする

ことではありません。


むしろ、

  • 散歩する
  • 趣味を楽しむ
  • 人と話す
  • 好きな音楽を聴く
  • 外出してみる

など、

生活の中で自然にTPNが働く時間を増やしていくことです。


小さな生活参加が回復につながることがあります

つらい症状に長期間悩んでいると、

「治らないと〇〇できない」

「治っていないから予定が立てられない」

と考えて、

必要以上に生活を制限してしまうことがあります。


しかし実際には、


ちょっと無理してみたけど〇〇が少しできた

少し生活が広がる

自信がつく

さらに生活が広がる


という流れで回復していくことが少なくありません。


👉 完全に治ってからいろいろ始める

ではなく、

👉 今できることを少しずつ増やしてみる

という考え方が大切です。


少し無理をして多少症状を強く感じたとしても

少し休めば元に戻って悪化することはありません。

もちろん無理を重ねるのは良くありませんが、

悪化するかもという

不安や心配を持ちすぎなくても大丈夫です。


施術やセルフケアの役割

施術やセルフケアの目的も、

単に症状を減らすことだけではありません。


身体が少し楽になることで、

  • 外出しやすくなる
  • 趣味を再開できる
  • 人と会いやすくなる

そんな変化が起こることがあります。


そして結果として、

生活そのものが広がっていきます。

地道に続けることは着実な回復につながります。


回復は「人生を取り戻していく過程」でもあります

慢性的な症状があると、

どうしても症状そのものに意識が向きます。


しかし、

治っていくということは

👉 症状の変化

だけではなく、

👉 人生全体を少しずつ取り戻していくこと

とも言えるかもしれません。


症状があっても、

笑える日がある。

楽しめる時間がある。

誰かとつながれる。


そんな時間も回復の大切な過程です。


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  • 周囲に理解されにくい
  • 説明しにくい
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