「少し触れただけなのに激痛が走る」
「何もしていなくてもズキズキが止まらない」
「いつも焼かれている感じ」「剣山で刺されている感じ」
「痛みのせいで、服が当たるのも、風が当たるのも怖い」
CRPS(複合性局所疼痛症候群)と診断された方、
あるいは疑われている方の多くが、
**“説明のつかないほどの強い痛み”**に苦しんでいます。
検査では大きな異常が見つからないことも多く、
「どうしてこんなに痛いのか分からない」
「この先よくなるのだろうか」
「調べると怖いことばかり書かれている」
と不安を抱えている方も少なくありません。
この記事では、
CRPSの痛みがなぜこれほど強く続くのか、
そして日常でできる向き合い方の第一歩についてお話しします。
CRPSの痛みは「骨折や傷」だけでは説明できない
CRPSでは、
- 骨折や捻挫、手術、注射などのきっかけのあとに
- その部位に強い痛み・腫れ・皮膚の変化・温度差・発汗異常
- 動かしづらさや震え、こわばり
といった症状が長く続くことがあります。
初期には炎症や循環の問題が関与しますが、
時間が経つにつれて、
「ケガの程度」と「痛みの強さ」が釣り合わなくなる
ケースが多く見られます。
これは、
痛みの信号を処理する“神経回路そのもの”が過敏になっている
状態が関係していると考えられています。
神経が“過敏モード”に入ってしまった状態
CRPSでは、
- 触れる
- 動かす
- 温度の変化
- ちょっとした刺激
といった本来は問題にならない刺激でも、
「危険!」という強い信号として脳に伝わるようになります。
いわば、
🔁 神経回路がブレーキの壊れた状態で、
痛みを増幅し続けてしまう
ようなイメージです。
この状態が続くと、
- 痛み → 緊張 → 血流低下 → さらに痛み
- 痛み → 動かさない → こわばり → さらに痛み
- 痛み → 不安・恐怖 → 神経の興奮 → さらに痛み
という悪循環に入りやすくなります。
まず大切なのは「これ以上あおらない」こと
CRPSの改善を考えるとき、
私たちがとても大切だと考えているのが、
過敏になった神経回路を、これ以上刺激しすぎないこと
です。
もちろん、
- 痛いところを無理に動かす
- 我慢して使い続ける
- 「慣れれば治る」と強く刺激する
こうしたことが、
かえって神経の過敏さを助長してしまう場合もあります。
まずは、
- 強すぎる刺激を避ける
- 痛みが悪化する動作や環境を把握する
- 「少し楽」で止めておく
といった
神経を落ち着かせる方向の関わり方が大切です。
「完全に動かさない」でも「無理に動かす」でもなく
とはいえ、
- まったく動かさない
- 触れない
- 使わない
状態が続くと、
- 関節の硬さ
- 筋力低下
- 血流低下
- さらに“怖さ”が強まる
といった問題も起こりやすくなります。
そこで目指したいのは、
🌱 「痛みをあおらない範囲で、少しずつ神経に安心を教える」
ような関わり方です。
たとえば、
- 痛みが出ない強さで軽く触れる
- 温度や素材を工夫する
- 短時間だけ動かす
- 呼吸やリラックスを組み合わせる
- 痛いところ以外はうまく動かす
など、
“大丈夫”という感覚を少しずつ積み重ねることが、
神経回路を落ち着かせる助けになります。
CRPSは「中枢性感作」とも深く関係する
CRPSのように、
- 痛みが長引く
- 刺激に過敏になる
- 説明しきれない強さになる
状態は、
**中枢性感作症候群(CSS)**と呼ばれる考え方とも深く関係しています。
これは、
脳や脊髄を含む中枢の神経回路が過敏化し、
痛みや感覚を増幅してしまう状態
という捉え方です。
CRPSもその代表的なひとつと考えられており、
「神経の過敏さをどう落ち着かせていくか」という視点が
とても重要になります。
確実な特効薬がないからこそ「適応力」を引き出す
CRPSは、現時点では
- これをすれば必ず治る
- この薬で完治する
という確立した治療法がないのが現実です。
しかし一方で、人の脳と神経には、
🧠 環境に合わせてバランスを取り戻そうとする“適応力”
が本来備わっています。
私たちは、
- 刺激を減らす
- 興奮を鎮める
- 安心できる感覚を増やす
- 体の緊張をゆるめる
こうした関わりを通して、
その適応力が働きやすい状態を整えていくことが、
もっとも現実的で着実な道だと考えています。
まとめ:CRPSと向き合う第一歩
CRPSの痛みは、
「気のせい」でも「我慢が足りない」わけでもなく、
神経回路が本当に過敏になっている状態です。
だからこそ、
- 無理にあおらない
- でも閉じこもりすぎない
- 少しずつ“安心”を増やす
そんな視点で、
神経を味方につけていく関わり方が大切になります。
つらい日が続く中でも、
できることは必ずあります。
この症状について、もう少し整理したい方へ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
このページの内容は、
**あくまで「考え方のひとつ」**です。
症状の現れ方やつらさは、
一人ひとり異なります。
痛みが長く続くと、
気持ちの面でもつらくなってしまうことがあります。
ひとりで抱え込まず、整理するところから始めてみてください。
関連記事
・👉 この症状の全体像について
→ CRPS(複合性局所疼痛症候群)とは?原因・症状と向き合い方
・👉 原因がみつからないのに長引く痛みやしびれ、異常感覚の考え方
→ 中枢性感作症候群(CSS)とは?
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